同Webサイトでは、「感染データ分析」「ゲノムとタンパク質の構造」「研究動向」が視覚的に確認できて、国/地域ごとの傾向や違いに関する視座が得られる。
利用されているデータ元は、ジョンズ・ホプキンス大学、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)、GISAID(鳥インフルエンザ情報共有の国際推進機構)などが公開しているデータだ。
国ごとの感染拡大傾向が比較できる
「感染データ分析」では、国/地域ごとの感染者数と死者数のグラフが確認でき、カーソルで期間を選択することで類似した国/地域および期間を提示してくれる。例えば、韓国の2月18日~2月29日の期間とイタリアの2月17日~2月28日の期間の傾向がよく似ていることが見て取れ、対策の開始時期や内容の妥当性検討に役立つだろう。
その下の欄では、データから4つの地域で判明しているハイリスク・アクテビティが確認できる。これによれば、シンガポールでは海外旅行が最もハイリスクなアクテビティだったことがわかり、一方中国での主要なハイリスク・アクテビティは国内旅行と、国によって傾向が異なることが一目瞭然だ。
最新研究動向を把握できる
新型コロナは、ゲノムの構造を変異させながら世界中に広がっているわけだが、「ゲノムとタンパク質構造」では、RNA配列リングで示されたタンパク質構造を地理/時系列で追うことができる。さらには、これらの3Dグラフィックスも確認できて、新型コロナに対して新たなイメージを抱くようになるかもしれない。
その下の欄では、この一本鎖のRNAウイルスと、4種類のコロナウイルスの類似性が示されていて、コウモリ由来のものが96%、センザンコウ由来のものが90%の類似性となっているのがわかる。
最後の「研究動向」では、ワードクラウドや最も引用されている論文を時期ごとに確認できて、初期から現在に至るまでの新型コロナの研究動向が把握できるようになっている。データがインタラクティブに視覚化されることで初めて認識させられることも多く、新型コロナ対応を検討するうえでも役立ちそうだ。
参照元:Researchers in Microsoft Research Asia lab launch COVID Insights website/ Microsoft Research Blog