新型コロナと共存の時代に
多くの人が密集して座り、密閉された空間で長時間過ごす旅客機は、新型コロナウイルスが猛威をふるっている今、あまり歓迎されない場所ではないだろうか。この問題を解決するために、イタリアのAvio Interiors社が、座席の新デザインを発表した。
同社は航空機の客席を専門にデザインしている会社で、キャセイパシフィック航空やアシアナ航空、ユナイテッド航空など40社以上をクライアントに持っている。
「ヤヌス席」と名付けられた新座席は、対人距離を確保するために、中央のシートだけが逆向きになっている。
プラスチックのシールドで囲まれた席
「ヤヌス(Janus)」とは、頭の前後に2つの顔を持つローマ神話の神のこと。中央シートが後を向き、窓側と通路側のシートが前を向いていることからイメージしたネーミングだ。ヤヌス席にはもうひとつ特徴がある。個々の座席がシールドでぐるりと囲まれ、隣の席や通路と隔てられていること。シールドには十分な高さがあり、隣の客や通路を歩く人からの飛沫を防げるという。
シールドの素材はプラスチックで、ニュースリリースによれば、簡単に消毒・滅菌できるものが使われているそうだ。また、半透明からダークなものまで、透け具合を選べるらしい。
新型コロナウイルスの影響で、いろいろなものが変化している。こんな「ヤヌス席」が、これからの旅客機のスタンダードになるのかもしれない。