こうしたことから、スイス連邦工科大学(ETH)チューリッヒ校の研究チームは、暗号資産での決済を安全、スピーディで実用的なものにするシステム「Snappy」を開発した。
・バックグラウンドで保証金を預けるシステム
トランザクション高速化の技術はいくつも開発されているが、多くはオフラインのサイドチェーンを設け、ブロックチェーンへの書き込みを後からするというもの。高速化が叶う反面、セキュリティや透明性の担保、非中央集権といったブロックチェーンのメリットは半減する。研究チームは、イーサリアムで機能する高速支払いシステムを開発。Snappyでは買い手は支払額と同額の保証金をシステムに預ける。それに加え、売り手にも同額の保証金が課せられる。
送金が行われると、トランザクションの検証に要する3分間は保証金が預けられた状態に。これがお互い不正ができない仕組みだ。
・スマホアプリでの利用を想定
保証金のもと、支払いは担保されているので、買い手は3分間を待たずにモノを受け取ったりサービスを受けたりが可能となる。保証金の出入りはウォレットには表示されず、システムはバックグラウンドで実行されるため、ユーザーから見ると支払いプロセスが瞬時に完了した状態だ。
Snappyはまだ実用されていないが、スマホアプリでの利用も想定されているとのことで、QRコードによって一般的な支払いアプリと同じように使えるはず。実装も簡単とのことで、イーサリアム決済の展望が少し明るくなった。
参照元:Making cryptocurrency payments fast and secure/ ETH News