携帯電話の時代から受け継がれる「コミュニケーションツール」としての役割だけでなく、目的地までの行き方を調べたり、旅行中のワンシーンを写真におさめたり、活用法は幅広い。
そうなると、スペックや操作性だけでなく、見た目の美しさやデザイン性も追い求めたくなるもの。お気に入りの洋服を着るとテンションが上がるように、スマートフォンもまた、私たちの気分を高めてくれるものであるように思う。
そこで、今回はスタイリッシュな見た目が魅力の「HUAWEI nova 5T」をご紹介。数種類をそろえるカラーリングの中でも、「ミッドサマーパープル」の個性的な見た目は特筆すべきものとなっていた。
思わず見とれてしまうデザイン
「HUAWEI nova 5T」はファーウェイが販売するAndroidスマートフォン。本体色のラインアップは、本レビューのミッドサマーパープルを含む4種類だ。クラッシュグリーン・クラッシュブルー・ブラックの3色は、光沢があってシンプルな見た目の背面に「HUAWEI」のロゴがアクセントとして印字され、いわばファーウェイの王道デザインとなっている。
ところが、今回紹介するミッドサマーパープルに限っては、「nova」のロゴが大胆にあしらわれ、同じロゴの透かし模様が背面に敷きつめられている。
反射によって表情を変える紫色とあわせて、つい見とれてしまうようなデザインで、ケースを装着することすらためらってしまう。「真夏の紫(ミッドサマーパープル)」というネーミングの妙も感じられる完成度だ。
また、「HUAWEI nova 5T」の本体デザインにおいて優れているのはカラーリングだけではない。画面ロック解除に用いる指紋認証センサーを端末側面に搭載し、電源ボタンと兼用する形を採用した。
他社スマートフォンでも同様の機種は少しずつ増えているが、依然として少数派という印象は否めない。現在の主流といえるのは、画面内もしくは端末背面に指紋認証センサーを搭載する形だ。
そして個人的には、「HUAWEI nova 5T」が採用する「サイドに指紋認証センサーを搭載」という仕様こそが、現状の指紋認証技術においてベストの選択肢だと思っている。
文字ではそのメリットを伝えづらいが、試しに自分のスマートフォンを手にとってみてほしい。おそらく、5本の指のうちいずれかが電源ボタンの付近に来るはずだ。ここに指紋認証センサーがあることで、スマホを持つと同時にロックを解除できる。
前述した画面内・背面の指紋認証では、センサーの位置に合わせて指の位置を微調整する必要がある。「HUAWEI nova 5T」でこの動作を省略できるメリットは思った以上に大きい。
また、ディスプレイ前面にはパンチホール式のインカメラを搭載。最近の流行を取り入れた形で、全体としてスタイリッシュな外観になっている。つやのある本体の質感もあわせて、ずっと手に持っていたくなってしまう。
持っていてテンションが上がるスマートフォン
もちろん、ファーウェイのスマートフォンとしての抜群の安定感は健在。プロセッサにはKirin 980を搭載しており、重い処理も苦にせずキビキビ動く。メモリも8GBと大きめで、マルチタスクもおまかせだ。Geekbenchによる計測では、「HUAWEI P30・P30 Pro」と同等であるという結果が出た。
リアカメラは最大4,800万画素の4眼構成。ファーウェイならではの高い画像処理技術を活用し、簡単な操作でクオリティの高い写真を撮ることができる。
試しに1枚写真を撮ってみたが、AI処理によって曇天もうまく表現されているように感じた。
高い性能と洗練されたデザインで、持っていて気分が高揚するような一台といえる「HUAWEI nova 5T」。特に今回紹介したミッドサマーパープルは、筆者イチオシのカラーリングだ。
「人が持っていないようなスマートフォンが欲しい」と考えている方には、自信をもって本機をおすすめする。
(文・早川あさひ)