ネット上での誤情報拡散を防ごうと、ソーシャルメディア各社はコンテンツの監視を強化している。その取り組みをさらに一歩進めるため、Facebookは偽情報に対して「いいね」表示するなどしたユーザーにアラートを出すと発表した。
・WHOのリンクを案内
Facebookはファクトチェックを行う機関などの協力を得て、同社のプラットフォーム上のコンテンツをチェックしている。パートナー機関を増やし、また対応言語を拡大しながら、新型コロナに関する誤った情報を含むコンテンツを削除している。今回発表した取り組みは、こうした削除されたコンテンツに対して「いいね」の意思表示をしたり、コメントしたりしたユーザーのニュースフィードに世界保健機関(WHO)ウェブサイトのリンクを案内するメッセージを表示する。この機能は今後数週間内に順次導入される。
・根拠のないデマ
こうした取り組みの背景には、根拠のない「デマ」を信じる人が多数いるという事実がある。そしてWHOはそうしたデマの拡散を防ごうと、デマの内容を否定する専用サイトを設けている。その中では、たとえば「5Gモバイルネットワークは新型コロナウイルスを拡散しない」「日光や25度以上の高温に身をさらしても新型コロナは防げない」「咳をせずに、あるいは気分が悪くなることなく10秒以上息を止められても、新型コロナにかかっていないことを意味するものではない」などと案内している。
裏を返せば、5Gモバイルネットワークが新型コロナを拡散させているといった誤情報を意図的にあるいは無意識に拡散している人や、それらを信じている人がいるということだ。
正しい情報はいつの時代も大事だが、こと新型コロナに関しては命がかかっているだけに、世界全体で共有する必要がある。
(文・Mizoguchi)