日本ではこれまでクラスター対策が中心だったが、一人ひとりへの聞き取り調査では間に合わないフェーズの地域も出てきたことから、追跡アプリの開発が求められていた。
こうしたなか、新型コロナウイルス感染症対策サイトの開発でも知られるコード・フォー・ジャパンがコンタクト・トレーシング・アプリの開発意向を明らかにした。
・匿名性を維持しつつ濃厚接触履歴を保存
アプリでは、濃厚接触した相手に陽性判定が出た際、適切な行動を促すよう通知してくれる。シンガポールのGovTech Teamで開発されたものをもとに開発され、AppleとGoogleが打ち出した規格にも対応予定とのこと。プライバシーを配慮した追跡技術はMITでも開発されていて、AppleとGoogleによる規格のもとになっている。濃厚接触の判定のために、GPSではなくBluetoothを活用。時間とともにランダムに変化するIDがブロードキャストされ、タイムスタンプとともに近接のスマホに保存される。
誰かが新型コロナ陽性判定を受けると(AppleとGoogleの仕様では本人の許可を得て)、情報の登録が行われてIDをスキャン。過去14日間の濃厚接触ユーザーに通知が送信される仕組みだ。
・アプリのリリースは5月上旬の予定
濃厚接触者の追跡をアプリにまかせることで、人の記憶や正直さに頼ることなく全員に通知が届く。無意識に濃厚接触していた際にもそれがわかり、自己隔離が必要な人の取りこぼしがなくなる。濃厚接触したタイミングや相手はわからず、情報登録ができるのは行政職員に限定されるので、陽性が判明したユーザーのプライバシーも守られる。
コード・フォー・ジャパンがコンタクト・トレーシングアプリの提供は5月上旬を予定しているとのことで、ユーザーの行動変容を促す決め手となりそうだ。なお、AppleとGoogleによる追跡機能は、政府機関や保険機関などにAPIで提供され、今後はOSに組み込まれる計画となっている。
参照元:コンタクト・トレーシング・アプリの開発に関して/PR Times