ただ、Amazonの施設で働く人の中にもコロナ感染者が出ていて、従業員の間では不安が広がっている。そうした事態を受け、同社は従業員のためのコロナ検査ラボの社内設置に着手した。
・症状がない人にも
同社はブログの中で、「従業員にマスクを提供したり、勤務前に体温チェックをしたりしているが、次のステップとして、症状のない人も含めて全従業員の定期的なコロナ感染検査に取り組む」としている。症状がない人にも検査を実施し、しかも定期的に行うというのがポイントで、同社は「そうした取り組みがウイルス感染抑制に大きな違いをもたらす」としている。
国や地方自治体の検査体制にはすでに大きな負荷がかかっていて容易に検査を受けられない現状を踏まえ、自前での検査ラボ設置となった。
・社内スペシャリストで確立
超大企業のAmazonはさまざまな分野のスペシャリストを抱えているが、社内の研究科学者やソフトウェアエンジニアらが通常の業務を離れてチームを結成し、コロナ検査体制の確立に取り組んでいる。すでに設備の組み立てが始まっていて、近々まずは少ない数で検査を開始する見込みという。
Amazonは需要増に対応するために3月に新たに10万人の雇用を発表し、従業員の数はコロナ流行前に比べ格段に増えている。全従業員を対象に検査を繰り返し行うとなるとそれなりの規模だが、世界一の富豪が経営する会社だからこそできる取り組みといえそうだ。
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(文・Mizoguchi)