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NASAが月の裏側にクレーターを利用した電波望遠鏡建設を計画中

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NASA(アメリカ航空宇宙局)は4月8日、月の裏側にあるクレーターを利用して、超大型電波望遠鏡を建設する計画を発表した。

この望遠鏡によって、これまで知られていなかった初期宇宙の解明が可能になるという。

・クレーターの凹みをパラボラアンテナに

Lunar Crater Radio Telescope (LCRT)と名付けられたこのプロジェクトは、クレーターの凹みにワイヤーメッシュを張って、電波望遠鏡のパラボラアンテナにしてしまおうというもの。

具体的には、直径3〜5kmのクレーターの中心部分(直径1kmの範囲)にワイヤーを張り巡らせ、それを放物面反射器にする計画だ。クレーターは、大きさだけでなく、適切な凹みの深さがなければならないが、具体的なクレーターの選出はまだされていない。

ワイヤーの設置を含めた全ての建設作業は、岩壁を登れるロボットビークル「DuAxel 」が行う。

これだけのサイズの電波望遠鏡は世界最大となるらしい。NASAのニュースリリースには、ユーモアを交えて「太陽系最大」と書かれている。

・初期宇宙の解明へ

この望遠鏡のメリットのひとつは、これまでほとんど観測されてこなかった波長10m以上の電波(30MHz以下)を捉えられるということ。

ニュースリリースによれば、波長10〜50m(6〜30MHzの周波数帯)の電波を観測することで、ビッグバン直後急速に膨張していた初期宇宙の様子を解明できるそう。

もう1つのメリットは、地球から発せられる電波ノイズに影響されないこと。月の裏側に設置するので、月そのものがシールドの役割を果たす。そのため、宇宙からの微弱な電波もクリアに受信できる。

この望遠鏡建設は、人類を再び月に送り込む「アルテミス計画」の一環で、建設後の保守管理は月のベースキャンプに滞在するスタッフが行うらしい。

NASA/Lunar Crater Radio Telescope(LCRT)on the Far-Side of the Moon

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