サンフランシスコにベースを置くベンチャーSeeSpaceが、世界で初となる、正真正銘のAR(Augmented Reality、拡張現実)のテレビ技術を開発しているという。それが「InAir」だ。これはスマートHDMIケーブルで、接続方法はテレビとセットトップボックスにプラグを差し込むだけという、とてもシンプルなもの。
「InAir」はテレビの画面に、テレビ番組とスライド方式で、番組に関連するインターネットのコンテンツを表示する。たとえば、ユーザーはNASAの宇宙船ドキュメンタリーをテレビで観ながら、同時にWebにアクセスして、NASAのホームページをチェックできるというようなかたちだ。
3D対応テレビなら、テレビ画面の前にWebコンテンツなどの情報が浮かび上がって見える。また、HDMI対応であればどんなテレビにもつなげることができ、2Dモードの場合は、テレビ画面と同じ層にコンテンツが表示される。通常、テレビはリモコンで操作するが、「InAir」の場合、手のジェスチャーで動かすKinectやLeap Motionといったツールを使って、身振りでコンテンツを操作することができるほか、iOSまたはAndroidの無料のアプリで操作することも可能。また、インターネット接続機能があるスマートテレビでない普通のテレビであっても、既存のwifiネットワークに自動的に接続するので安心して利用できる。
資金調達プラットフォームKickstarterでキャンペーンを開催していた「InAir」は、2014年9月に提供開始予定。「InAir」があれば、スマートフォンやタブレットをセカンドスクリーンとして使う必要はなくなる。テレビ画面という1つの場所に視線を集中させることができるようになり、テレビ画面とスマートフォンの画面を行ったり来たりして、目も首も疲れる、というような悩みから解消されそうである。
InAir