・ゲームプレイと回答からAIが予測
今回の研究の目的は、「Crystal Island」という教育用ゲームをプレイしているときの生徒の行動に基づいて、生徒がテストの質問に正しく答えられるかどうかを予測できるAIのモデルを確立すること。そのため、研究チームは、181人の学生からゲームプレイとテストデータ収集。その結果、AIが、各生徒のゲームプレイと、生徒がテストの質問にどのように回答したかを予測することに成功したという。
さらに、同研究チームは、今回の研究にマルチタスク学習と呼ばれるAIトレーニングの概念を利用したが、マルチタスクモデルの精度は、従来のAIトレーニング手法に依存する他のモデルよりも約10%高いことも発見している。
・学習の必要性を教師が把握可能に
同研究結果は、学習過程においてより効率的な学習スタイルを確立する手助けになる可能性が指摘されている。例えば、追加の学習を必要とする生徒を教師が把握する際などに役立てることもできるため、補習やサポートが必要な生徒をあらかじめ把握するといったことにも活用可能だという。研究チームは「研究は、心理学の側面をAIへのディープラーニングおよび機械学習アプローチと融合させることに成功した例」と述べており、個々の学生のニーズに適応する教育ソフトウェアの開発への第一歩として、今後さらに研究を進めていくとしている。
ノースカロライナ州立大学