INOVIOは健康なヒト40人へのワクチン投与を進めていき、夏の終わりまでに初期免疫応答や安全性に関するデータが上がってくる予定となっている。
・MERSのときに培ったスピーディな開発ノウハウ
新型コロナウイルスが発生してから驚くべき速さで遺伝子配列の解読がなされたわけたが、それでもワクチンの市場展開には早くても18カ月を要するという。INOVIOは1月の初めから、全速力でワクチン開発に取り組んでいる。臨床試験に入る前の動物での試験では有望な免疫応答が示され、晴れてフェーズ1に。ワクチンの実用化に向けた重要なマイルストーンを達成したかたちだ。
INOVIOには、中東呼吸器症候群(MERS)のDNAワクチン(INO-4700)を開発してきた経緯があり、INO-4800の開発ではここでの技術が応用されているのだろう。
・年末までに100万回分のワクチンを製造
ワクチンの開発では資金集めがボトルネックになるが、INOVIOにはビル&メリンダ・ゲイツ財団やCEPI(感染症流行対策イノベーション連合)も資金提供している。INOVIOは資金提供を受けてからわずか10週間で、フェーズ1およびフェーズ2で用いる数千回分のワクチンを準備した。並行してワクチンの製造規模拡大にも取り組み、年末までに追加の試験と緊急使用のための100万回分のワクチンの製造するという。
今後さらに追加資金が必要になり、うまくいけば12~18か月以内にワクチンの市場展開にこぎつける計画だ。
参照元:INOVIO Initiates Phase 1 Clinical Trial Of Its COVID-19 Vaccine and Plans First Dose Today/ INOVIO