新型コロナウイルスの影響による市場全体の鈍化が懸念されたものの、2月における全世界のスマートフォン販売実績は前年比約14%の落ち込みにとどまり、それほど悪い結果ではなかったようだ。
中国では、実店舗からオンライン販売への移行も
新型コロナウイルスの全世界的な流行により、スマートフォン業界をはじめとするハイテク産業への影響は前例のないものになっており、新製品の発表を延期する企業も多い。当然、2月におけるスマートフォン販売台数の実績も落ち込んだが、2019年2月との比較で減少幅は約14%に過ぎず、業界が恐れていたような結果ではなかったとのこと。
ただし、パンデミックの震源地となった中国は例外的で、約38%もの大きな落ち込みを記録。実店舗の販売に限定した場合、2月の下落幅は5割以上になるようだ。成長著しいネット通販が実店舗の実績をカバーしたとされており、今後の主流販路になる可能性もある。
メーカー別の状況
カウンターポイント社は、今年2月の販売台数ベースによるシェア率グラフも公開。それによれば、1位はサムスン(21.9%)で、2位がApple(14.4%)、3位ファーウェイ(13.2%)という順位になっている。また、4位にはXiaomi(9.2%)、5位にOPPO(8.2%)が続く。1位のサムスンは、中国のサプライチェーンや中国市場への依存度が低く、新型コロナウイルスの影響を最小限に抑えることができたため、業績が大きく崩れることはなかったようだ。
2位のAppleは、主にサプライチェーンの問題に苦しんだ。カウンターポイント社の見立てによると、2月前半は中国国内、2月後半は中国国外からの部品供給がスムーズに進まなかったことが原因で、売上に悪影響があったという。
3位のファーウェイは、部品供給や市場需要を中国に大きく依存しているにも関わらず、予想以上に健闘を見せた。2月中に合計1,200万台のスマートフォンを販売し、自社の世界シェア減少幅を1%に抑えたとされている。
PR TIMES
(文・早川あさひ)