ただ、社会全体で人同士の距離を空けることが、感染拡大カーブを和らげるのに有効だとわかっても、ソーシャル・ディスタンシングしていては立ちいかないタスクも多いだろう。
こういったタスクをできる限り無人化できれば、感染拡大リスクの軽減につながるはず。カーネギーメロン大学の研究者は、Science Robotics誌にて、パンデミックにおけるロボット活用について言及している。
・隔離された患者へのサポートをロボットで
カーネギーメロン大学のHowie Choset氏は、“消毒、公共スペースや建物入口での体温測定、隔離された患者へのサポート、鼻/喉からの検査用サンプル収集”なんかが、ロボットにやってもらうタスクとしてもってこいとしている。今回のパンデミックでは、ロボット活用の準備ができているとはいえず、新たな機能の開発が必要になるが、現在開発中、あるいは稼働中のロボットも、上記タスクの一部を担える可能性があるだろう。
・ロックダウン時には配送ロボットが活躍
例えば、最近シリーズAラウンドで1000万ドル(約11億円)の調達に成功したDiligent Roboticsは、病院用アシスタントロボット「Moxi」を開発している。Moxiは、院内で配送からシーツ交換までを自動でこなし、パンデミックの状況で活用すれば、医療従事者の患者との接触機会を減らしてくれるはずだ。また、ロックダウンで買い物に行けないときは、PostmatesやRefraction AIのREV-1、AmazonのScoutといった配送ロボットが平常時以上に活躍するだろう。配達員に接触しなくても物資が受け取れて安心だ。
今回の強烈な経験で、ロボット開発者は新たなニーズに気づき、開発をスタートさせているかもしれない。また、現在開発中の技術に関しても、人類の救済に役立てようとリリースを急いでいると考えられ、これを機にロボット活用が促進されることを願う。
参照元:COVID-19 Should Be Wake-Up Call for Robotics Research/ Carnegie Mellon University News