サムスンは、DRAMスケーリングの課題を克服すべく、製造プロセスに極端紫外線(EUV)技術を導入。これは世界初の試みとなる。
すでに、第1世代10nmクラスのDRAM、「D1x」の顧客評価は完了しているようで、EUV技術によって製造したDDR4の100万台出荷を発表している。さらに来年には、第4世代となる「D1a」を市場展開する計画だ。
・TSMCのチップは15~20%高いトランジスタ密度を実現
UVを用いた製造技術では、短い波長の光により微細な設計にも対応できる。昨年にはTSMCが、7nmチップ「N7 +」の製造プロセスにEUVベースの技術を導入。前世代の「N7」より15~20%高いトランジスタ密度を実現している。EUV技術では、繰り返し工程を減らすことで製造時間が短縮できる。また、複製の精度向上により、複雑なチップの製造にも対応可能だ。
・第4世代のDDR5とLPDDR5を来年量産
サムスンは2021年より、第4世代DRAMの量産を開始する。EUVベースの製造プロセスは、10nmクラスのD1aラインナップ、14nmクラスのハイエンドラインナップをはじめとする、第4世代以降の全DRAM製品に展開されるとのこと。なお、D1aラインナップには、16GBのDDR5およびLPDDR5が含まれる。サムスンは、次世代DRAMへの需要の高まりに対応するため、新たな拠点を設けて半導体製造ラインを倍増する計画だ。
こうして製造された次世代DRAMモジュールは、PCやモバイル端末、サーバーやネットワーク機器など向けに出荷され、来年にはお目にかかれるだろう。
参照元:Samsung Announces Industry’s First EUV DRAM with Shipment of First Million Modules/ Samsung Newsroom