なお、同社は、航空宇宙工学サービス事業を展開する米国のSWIFT Engineering Inc.と神戸情報大学院大学による共同出資で設立されたベンチャー企業である。
実証実験概要
同実験には、和気町職員、警察、消防署、猟友会など約30名が参加し、和気町が企画した「有害動物検知実験」および「遭難者捜索実験」を実施。実験に用いられた高性能ドローン「Swift021」は、各種センサーとAIにより航空機レベルのフェイルセーフ機能を有し、2時間超の長時間飛行と荷物(1kgまで)の空輸が可能だ。なお、今回の実験では可視光・赤外線カメラをペイロードとして使用している。
2020年3月2日に「有害動物検知実験」として、赤外線カメラ映像から有害動物の位置を確認し、生態調査などを行うことを想定した実験を実施。約200ヘクタールの山間部において、1フライト30分の夜間フライトを行い、10分ほどで3匹の有害動物を検知した。
また、翌日の3月3日には、「遭難者捜索実験」として、約40ヘクタールの観音山登山道にて4人が遭難したと想定し、制限時間内で何人を発見できたかの実験を実施。1回目50分、2回目40分の計90分間フライトし、4人中3人を発見することに成功した。
長時間飛行の利点と課題
この結果を受け、元アメリカ海兵隊少佐であり、SEI社の営業・技術開発責任者であるアレックス・エチェヴェリア氏は、実際の現場で第一段階とされる遭難者の年齢・性別、詳細な地理情報、過去の情報などの収集をしていない状況下での、3人発見という結果に満足しているとコメントした。また、スウィフト・エックスアイの代表取締役会長兼CEOである松下弘幸氏は、「Swift021は米国の電波出力であれば、半径50km以上でライブビデオによる捜索が可能であるが、日本の電波出力では数kmしか電波が届かないために、せっかくの021の航続距離をいかした効率的な運用ができない。緊急時だけでも特別な許可が必要である。」という課題に言及。
そして、同社の最高執行責任者ニック・バルア氏は、「Swift021」の長時間飛行という利点に着目し、効率的な捜索を可能にする同機を実際の現場に広めていきたいと意欲を語った。
PR TIMES