・自律ロボットのグループが隠されたアイテムを探す
地下施設のガス漏れ事故などを想定して、施設内に隠されたダミー人形やスマートフォンなど20のアイテムを、ロボットのグループに探させるのがこのコンテスト。過去にも開催されており、今回はワシントン州にある建設中の発電所が競技会場となった。出場するチームは複数のロボットをプログラミングし、それぞれのロボットが独自に判断しつつ協力し合ってアイテムを探すようにする。人はモニタリングしてもいいが、ロボットに指示はしないという決まりだ。また、地下が会場なので、GPSは使えない。
・マッピングしながら地下を捜索
NASAのチームは様々な状況を想定して、ドローンタイプのロボットや、四輪バギー型のロボットなど12台を投入した。その中には、ボストン・ダイナミクス社から提供された有名な四足歩行ロボット「Spot」も含まれている。四足歩行ロボットは、地下施設の階段を上り下りできるので役立ったそう。ロボットたちは通信中継装置を要所要所に落としながら地下階をマッピングし、グループで効率良く全体を捜索。被災者に見立てた体温を発する人形や、WiFi電波を出すスマートフォンなど、20アイテムのうち16点を所定時間内に探し出した。
このコンテストは、NASAにとって非常に重要な意味があるという。月や火星の地下洞窟を探索する際には、GPSは使えず、人との交信も保証できないからだ。
DARPAのロボットコンテスト「Subterranean Challenge」は今後も開催される。次回は2021年8月、地下迷宮といえる自然の入り組んだ洞窟が会場となるらしい。
NASA Jet Propulsion Laboratory