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Enterprise 世界終末の決断! MITが小惑星衝突にどう立ち向かうかを決断するコンピュータープログラムを開発

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世界終末の決断! MITが小惑星衝突にどう立ち向かうかを決断するコンピュータープログラムを開発

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小惑星が地球に衝突するーー。そんな世界終末になりかねない状況で我々人類はどうすればいいのか。それを判断するコンピュータプログラムを、MIT(マサチューセッツ工科大学)の研究チームが開発した。

彼らによれば、ごく小さなものまで含めて、新しい小惑星が毎日のように地球の近くで見つかっているそうだ。

いつかそのひとつが、地球との衝突コースに入らないとも限らない。そうなったとき、どのような回避方法があるのだろうか。

・重力圏に入る前に

MITで航空宇宙工学を研究するSung Wook Paek氏は、ニュースリリースの中でこう言っている。
たいていの人は、地球の重力圏に入って地球に向かってくる小惑星をどうするか考えますが、私はそれよりも、先に小惑星のコースを逸らせて重力圏に入らないようにすることを考えます。言ってみれば先制攻撃です。そのほうが、ずっと被害が少ないですから。

NASAはこれまでに、接近する小惑星を核ミサイルで爆破することを米国議会に提案しているとのこと。だが、この方法だと、放射能を帯びた残骸が地球の周回軌道上に浮遊し、最終的には地表面に降ってくることになる。Paek氏が避けたがっているのはこれだ。

彼が率いる研究チームは、迫り来る小惑星の質量、運動量、軌道といったデータと、衝突までに残された時間を計算に入れて、衝突回避の方法を具体的に提案するプログラムを開発した。

・ロケットの体当たりでコースをずらす

研究チームが考えている回避法は、ロケットやそれに匹敵する巨大な物体を、地球重力圏に入る前の小惑星にぶつけて、コースをずらすというやり方だ。こうすれば、小惑星は地球に引き寄せられず、すんなりと通り過ぎてくれる。

開発したプログラムは、コースをずらすのに必要な(ぶつける)物体の運動量や、正確な軌道、衝突角度、衝突のタイミングなどを計算するだけでなく、残された時間に応じた最良のやり方を提示する。

ニュースリリースには、シミュレーションの例がいくつか挙がっている。

例えば、小惑星が衝突コースに入るまでに5年の時間がある場合、プログラムは、まず2隻の探査船を小惑星に向かわせるよう提案する。1隻は小惑星の詳細なデータを取るため。もう1隻は小惑星を「押し」て、コースを予備的にずらしておくためだ。その後、大きなロケットを正確にぶつけて、小惑星のコースを完全に外す。

だが、「残された時間が1年を切ると、こういった方法は使えない」とPaek氏は言う。ぶつけるためのロケットが小惑星に到達する前に、小惑星が地球の重力圏に引き込まれてしまうためだ。そうなると、ロケットをぶつけた程度ではコースは変わらない。

現在研究チームは、実在するさまざまな小惑星のデーターでシミュレーションを続けている。

MIT News

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