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Review 第2回「未来の学校祭」レポート−−「脱皮」をテーマに、アーティスト・企業・教育機関が集結

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第2回「未来の学校祭」レポート−−「脱皮」をテーマに、アーティスト・企業・教育機関が集結

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©Louis-Philippe Rondeau

2020年2月20日から2月24日にかけて東京ミッドタウンにて開催中のアートとメディアのイベント「未来の学校祭」。

このイベントは、オーストリアに拠点を置く国際的なクリエイティブ機関でメディアアートの祭典で知られる「アルスエレクトロニカ」との共同開催によるもので、2019年の初開催に続いて2回目の開催となる。

今回のテーマは「脱皮」。アート作品や既成概念を打ち破ろうとするようなプロジェクトを通じて、社会を取り巻く既成概念から「脱皮」するきっかけを提案するべく、アーティスト・企業・教育機関が集結している。

展示作品やワークショップ、トークイベントを通じて、それぞれの考える私たちのこれからの未来の姿を考える。

より豊かな社会のために多様なアプローチで追求する

より良い社会を作りたいと思っても、それが時に難しく感じるのは既成概念から抜け出す方法が見つけにくいからかもしれない。であれば、そこから〝脱皮〟するにはどうしたらいいのか。今回イベントに参加する国内企業9社が、様々に脱皮を促すべくプロジェクトを展示。

最新のMRグラスを用いて空間を使ったコミュニケーションをデモンストレーションするのは株式会社MESONと株式会社博報堂DYホールディングス。主にマーケティングサービス事業を展開する博報堂DYと、ARコンテンツやサービスを専門に手がけるクリエイティブスタジオMESONがタッグを組んでコンテンツを制作した。

ミッドタウン内に仮想的に配置された情報に触れることができ、現実空間と仮想空間をシームレスに繋いで、新しいコミュニケーションの場の創出の場を試みている。「Spatial Message(スペーシャル メッセージ)」と題したプロジェクトは、グラスをかけると、空間に来場者が投稿したメッセージが浮かび上がる。

プロジェクトに携わった担当者は「今さかんに利用されているソーシャルメディアは距離が近すぎると感じることがある。スマホをみて受け取るメッセージよりも、空間という人とある程度の距離感のある場に浮かぶ、様々な人が発した想いを文字で受け取ることで、従来のSNSとは一味違うインスピレーションを得られるのではと考えた。神社の絵馬に着想を得て企画をした」と語った。

化粧品メーカーPOLAは、〝声〟をテーマにサウンドインスタレーションを展示。

化粧品メーカーがなぜ人の声に着目したのか。同社の調査によると、日本人の約8割が自分の声にコンプレックスを持っていることが判明。声も人格の一部であり、顔をメークすることでより魅力的に見せるように、声を美しい旋律で〝メークアップする〟という発想から、今回のサウンドインスタレーションが生まれた。

モニュメントの前に設置されたマイクに声を発すると、センサーがその音程や強弱を割り出してピアノ音やアンビエントミュージックと共に美しい音色に生成される。

モニュメントに張り巡らされた透明な突起=Sphereの中にはピアノの鍵を内蔵しており、これが声に合わせて奏でられる。

「美しい音色はもちろんだが、同時に癒しにもなるような旋律にもしたいと思いピアノの音も取り入れた」その音を直接鍵から奏でる仕組みで、わざわざこのために、1940年代に音楽療法を目的に海外で発明された「ローズ・ピアノ」を取り寄せ、その鍵を使うほどの隠れたこだわりも盛り込まれた作品だ。

古い価値観から脱皮し新たな未来を創造するためにアートが貢献できること

「脱皮」がテーマの当イベントは、大きく3つのエリアに分かれてエキシビションを実施。

それらのエリアのうち、「脱皮ルーム」ではその対象を〝自分自身〟として、「脱皮スクエア」は〝社会問題〟を対象にしたインスタレーションを展示している。

3つ目のエリア「脱皮ラボラトリー」では、アーティストや企業による先端的な研究開発を展示。脱皮ルームと脱皮スクエアで自己や社会に内在する既成概念の枠を取り外し、「脱皮ラボラトリー」で、先端技術や研究に触れることで新たな社会の未来像をより明確に捉えていく−そんな動線が設けられているように感じた。

ただ、これらの展示を体験する側のアートに対する感性もより醸成させていく必要もあるのではないか。イベントのコンセプトは「デザインやアートを通じて、学校では教えてくれない未来のことを考える新しい場」としているが、特にこれからの未来を担う学生や若手に対してアートへの感性を高めるような〝教育〟というアプローチが具体的にあっても良いかもしれない。

「みなさんの心にアートが出向いていく、そこで出会っていただく、そんな場にしたい」と、今回のイベント開催の意気込みを語ったアルスエレクトロニカの総合芸術監督ゲルフリート・シュトッカー氏。

何もかもが不確実な現代において、アーティストがもつ未来を見据える力こそ重要だという考えを示した。今回のイベントが「体験の拡張」に留まることなく、これからの社会と人を徐々にポジティブに変えていくための場のひとつであることを期待したい。

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