・サスペンションシステムで安定性を確保
新ロボットの開発にあたって研究チームまず、研究室で蛇が階段を上る様子を実際に観察し、蛇が体を3部分に分けて進むことを発見した。前と後ろの部分が階段の水平部でクネクネ動き、これが転倒を防ぐ安定性を提供。そのあいだ、中央部は段差部で垂直状態を維持する。段差が高くなったり滑りやすくなったりすると、蛇はゆっくり動いて、前後の身体のうねりを少なくすることで、安定性を維持した。
この観察結果をもとに、研究者らは蛇の動きを模倣するロボットを作成。当初、蛇ロボットは大きな段差で安定を保つことが難しく、ぐらついたり、ひっくり返ったり、階段に引っかかったりした。
そこで研究者は、車などにも使用されているサスペンションシステムを各ボディセグメントに挿入。その結果、蛇ロボットは安定性が増し、体長の38%ほどの段差を登ることに成功した。
・危険な地形で作業を行うレスキューロボットへの活用に期待
この蛇ロボットは、安定して実際の蛇と同じくらいの速度で進んだが、ボディサスペンションシステムの欠点の1つは、ロボットがより多くの電力を使用したことだったという。「実際の蛇の方がまだはるかに優れているが、この蛇ロボットは大きな障害物を越えて移動するロボット開発に有望だ。」とジョンズ・ホプキンス大学のLi准教授は述べている。
今後研究チームは大きな障害物がある地形に対応できるように、蛇ロボットを改良していく予定。危険な地形で作業を行うレスキューロボットへの活用が期待される、蛇ロボットのさらなる開発が注目される。
Johns Hopkins University