同社とNASA(米航空宇宙局)は今春の打ち上げに向け着々と準備を進めていて、今後は最終テストやチェックなどを行う。実現すれば、2011年以来の米国本土からの有人ロケット打ち上げとなる。
・3カ月以内に?
「今春打ち上げ」という表現には期間的に幅があるが、以前、マスク氏は5月7日という日を挙げていた。もしこの通りであれば、3カ月もせずに飛行士がCrew Dragonに乗って宇宙に向かうことになる。乗り込みが予定されているのは、NASAの宇宙飛行士、ボブ・ベンケン氏とダグ・ハーリー氏の2人。SpaceX社のロケットFalcon 9の先頭部分に宇宙飛行士が乗り込んだCrew Dragonが搭載される。
・ボーイングに先駆け
Crew Dragon打ち上げは民間に宇宙飛行士の国際宇宙ステーションへの搬送を託すNASAのコマーシャル・クルー・プログラムの一環。2011年にスペースシャトルが退役して以来の米国からの飛行士送り込みとなる。このプログラムにはSpaceXだけでなく、ボーイング社も参加しているが、現在ボーイング社はまだ有人宇宙船Starlinerの開発・試験の途上にある。エンジンテストや脱出テストなど各種テストをクリアしてきたCrew Dragonが一番乗りとなる。
SpaceXのCrew Dragon有人打ち上げが成功すれば、米国が再び人類を宇宙に送り出す手段を確保するのみならず、本格的な宇宙旅行時代の幕開けを意味する。そうした意味で世界の注目を集めるビッグイベントとなりそうだ。
NASA
(文・Mizoguchi)