LAFDによると電動消防車の導入は北米で初、世界では3番目となる。2021年初めの納車を見込み、ハリウッド地区に配備する計画だ。
・バッテリー2つ搭載、2時間駆動
LAFDから受注したのは、オーストリア拠点のRosenbauer。同社は消防車や消防設備を手がける、この業界では世界最大手の1社だ。昨秋、LAFDを訪れてコンセプト消防車でのデモンストレーションを実施し、それが今回の受注につながった。LAFD発注の電動消防車はコンセプト車をもとに、特殊なニーズに応じるカスタマイズ車となる。2つのバッテリーで約2時間駆動し、より長く作動させたいときのためにディーゼル発動機も搭載する。
また、いつでも出動できるよう、バッテリーは急速充電に対応するものとなる。
・最新テックを装備
電動で走行すれば二酸化炭素の排出を抑制できるだけでなく、ディーゼル特有の騒音もなくなるというメリットがある。また、消防隊員が作業を効率的に行えるよう、車内には最新のテクノロジーを駆使したプラットフォームを活用するとのこと。もちろん消防車全体として全米防火協会の基準をクリアしたものとなる。
LAFDもRosenbauerも今回の電動消防車の価格を明らかにしていない。一般的に、乗用車もバスも、従来の化石燃料で走るタイプに比べると電動タイプは高価で、おそらく消防車もそうだろう。
ただ、電動タイプは環境への負荷を軽減できるだけでなく、長期的にはメンテナンスコストが安くなるとされていて、公共のバスなどでは買い替えのタイミングで電動化が進んでいる。今後、消防車でも同様の動きが出てくることは想像に難くない。
LAFD
(文・Mizoguchi)