むつ市にて、高齢者向け見守りサービスの実証実験を実施した。なお、自治体の福祉業務におけるIoT電球の活用は日本初となる。
効率的な見守り活動の実現へ
現在、高齢化や過疎化、核家族化などにより、高齢者の社会的孤立が問題視されている。特に一人暮らしの高齢者については、家族や行政職員などによる定期的な訪問・連絡が必要である。そこで、NTT Comとむつ市、NTTレゾナントは、通信SIMを内蔵したLED電球(IoT電球)を用いた「高齢者を対象とした見守りサービスに係る実証事業の連携協定」を2020年2月12日に締結し、高齢者向け見守りサービスの実証実験を実施。
同実験では、むつ市在住の高齢者宅25世帯に、NTTレゾナントが提供するIoT電球を活用した高齢者見守り機能「goo of things でんきゅう」を提供。トイレに設置したIoT電球の点灯記録をクラウドに蓄積・解析し、「5時間連続で点灯している」など任意に指定できるタイミングで、離れた場所にいる家族や行政職員のスマートフォンなどに通知する。
同実験は、2020年2月12日~6月30日の期間で実施され、高齢者の生活・健康状況などの変化を把握し、効率的な見守り活動の実現を目指すという。
理想に近づく街づくり
このたび提供された「goo of things でんきゅう」は、NTTレゾナントが2019年4月に提供開始したIoTサービス「goo of things」における、IoT電球を活用した「高齢者見守り機能」のひとつだ。「goo of things」は、生活に密接したIoTデバイスと、接続が容易な専用アプリを展開し、幅広い年代の生活に馴染むIoTサービスを目指している。NTT Comは、データを利活用するデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、社会的課題の解決を通じた「Smart World」の実現を推進中。今回の実験では、サービスの利用実態の調査と効果測定を通じて、むつ市の将来像である「笑顔かがやく 希望のまち むつ」の実現に貢献したいという。また、同実験のマネジメントに加えて、取得したデータとむつ市の医療や福祉データとの連携に関するコンサルティングを実施するとのこと。
今後NTT ComとNTTレゾナントは、同実験で得られた知見を活かし、企業や自治体、コンシューマーに向け商用化を実現することで、高齢化社会における安心安全な街づくりに貢献していくとしている。また、むつ市は、同協定で得られた成果をもとに、福祉業務の効率化と拡充に取り組み、安心して暮らせる街づくりを追求していくとのことだ。
先日、Techable(テッカブル)で取り上げたが、NTT Comはテクノロジーを活用し、全国のさまざまな地域の課題解決に貢献しているようだ。大分県での実証実験について、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。(日本初! 濃霧でも周囲を目視できる5G活用の運転補助システム、実証実験へ)
NTTコミュニケーションズ株式会社