新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に歯止めがかからない中、人々の移動に懸念があるとして、開催12日前のキャンセルという異例の措置を取った。
・安全性に懸念
MWCはスペイン・バルセロナで今月24〜27日の開催が予定されていた。今回、中止を決定するまでに、主催者側は新型コロナウイルスが最初に確認された中国湖北省からの参加を禁止するなどの対応を決めていたが、それでも安全性が確保されないとしてMWC中止を余儀なくされた格好だ。
・増す不透明感
MWCでは毎年世界から400社ほどが参加する。先端の端末や技術を披露する場であり、企業は今後独自の発表会やイベントを企画するなど別の方法を模索することになることが予想される。ただ、企業にとってMWC中止そのものは大きな損失ではなく、むしろ開催都市の経済にとって打撃となる。一方で、新型コロナウイルス問題が長期化すれば、端末の生産や技術開発などへの影響が出てくることは想像に難くなく、先行きに不透明感が増しつつある。
今年のMWCに関しては、出展を予定していた企業の参加見送りがこのところ相次いで表明されていて、開催を危ぶむ向きはすでにあった。
主要企業だけでも、ソニー、NTTドコモ、Nvidia、アマゾン、韓国の家電大手LG、中国のスマホメーカーZTE、スウェーデンの通信機器メーカーEricssonなどが11日までに出展見送りを表明していた。
GSMA
(文・Mizoguchi)