実証実験概要
同実験は、5社の技術・ノウハウなどを持ち寄り、濃霧の中でも安全に走行できるようになる、5Gを活用した運転補助システムの確立を目指すというものだ。濃霧の中を走行中の車両に搭載したカメラ(サーマルカメラ・4Kカメラ)で撮影した画像を、5Gを用いてドコモオープンイノベーションクラウドへ送信すると、クラウドに実装したドコモの画像認識エンジンで前方車両や車線、ガードレールを認識し、車両に搭載したヘッドアップディスプレイへ表示する。これによりドライバーは視界不明瞭な濃霧の中でも周囲の状況を目視することが可能となるのだ。
2020年1月28日に実施された東九州自動車道 別府IC~速水ICにおける同実験は、高速バスを使用し、LTE環境で行われた。また、2020年2月6日~2月7日には昭和電工ドーム大分にてドーム専用カートを使い、日本初となる5G環境での実験を実施。2月12日に再度、昭和電工ドーム大分にて同実験が実施される。
5社の団結
大分県において高速バスは、大分空港と大分市方面を結ぶ主要な移動手段であるが、中間点にある日出JCTにて発生する濃霧が交通面・観光面で大きな課題となっているという。そこで、同実験により濃霧の中でも安全な走行を実現する運転補助システムの確立を目指し、課題を解決しようというのだ。なお、同実験はNTT Comが実施主体となり、総務省から請負った令和元年度5G総合実証試験「移動時において複数基地局、複数端末の環境下で平均1Gbpsを超える高速通信を可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件等に関する調査検討」として実施。
プロジェクト管理、システム性能評価などをNTT Comが担い、そのほか、実証フィールドの提供や地元企業対応などを大分県が、カメラおよび高精細地図を用いたソリューションの企画・構築などをオートバックスセブンが、高速バス提供および運転などを大分交通が、5Gエリア、クラウド環境、画像認識エンジンの提供などをドコモがそれぞれ担い実現した。
5者は今後も社会課題解決、地域社会活性化、県民サービス向上に向けて取り組んでいくとしている。
NTTコミュニケーションズ株式会社