一方ヒュンダイは、今後5年間で未来の自動車技術に870億ドル(約9兆6000億円)を投資するとの気合の入れようで、このうち250億ドル(約2兆7000万円)をグループ傘下の起亜によるEV/モビリティ技術開発促進に充てるとのこと。起亜は2025年までに、環境にやさしい車の売上を全体の25%にしようとしている。
・スケートボードアーキテクチャで生産プロセスをシンプルに
ヒュンダイは、スマートモビリティソリューション戦略を打ち出していて、CES 2020で発表したPBV(Purpose Built Vehicles)は、移動する商店や食堂、病院なんかの役割を持たせられる。CanooのEVは、シャーシにバッテリーや電気駆動系を収容する「スケートボードアーキテクチャ」を採用していて、上に載せる車体のデザインは自由だ。市場の需要に迅速に対応できるほか、部品数や重量も少なく、ひとつのコンポーネントができるだけ多くの機能を担うのが特徴。これにより、生産プロセスが簡素化され生産コストも削減できる。
Canooの同技術に目を付けたヒュンダイは、さっそくEVプラットフォームの共同開発に乗り出したわけだ。
・EVやPBVの自律大量生産に適したEVプラットフォーム開発へ
Canooのスケートボードアーキテクチャ技術により、ヒュンダイや起亜の開発するEVやPBVの自律大量生産を目指す。特にPBVでは多様な車両デザインに対応する必要があり、スケーラブルなEVプラットフォームが必要だ。低い生産コストをベースに展開するサブスクリプションモデルのノウハウをPBV生産に流用することで、競争力のある価格帯の車両を市場投入できる。
Canooとのパートナーシップは、ヒュンダイグループが生産車両のEV/自動運転化を推し進めていくうえでの重要な一手だ。
参照元:Hyundai Motor Group, Canoo to Co-Develop All-Electric Platform for Future Electric Vehicles/ Canoo