オンラインとオフラインを統合した「オムニチャネル」で成長してきたFirstCry
年間2500万人の子供が生まれるインドでは、ベビー用品は大きな市場だ。2010年に創業されたFirstCryは、オンラインとオフラインの双方で販売を広げてきた。いわゆる「オムニチャネル」の手法を使い、どのチャネルで買い物をしても、商品情報・在庫情報・顧客情報が統合されており、シームレスな購買体験が得られるのが特徴だ。2020年1月の段階で380もの実店舗を有する上、年末には大都市から中小規模の都市まで拡大し、450店まで増加させる計画がある。これほど急速な成長ができるのは、フランチャイズ制を導入しているからだろう。共通化されたシステムをフランチャイズ店に導入し、素早い事業拡大を実現してきた。
インドの小売市場に可能性を見出すソフトバンクの投資戦略
FirstCryの成長の陰には、ソフトバンクの存在がある。既に3億ドルを投資していたのに加え、2020年2月に追加で1億5000万ドルを出資した。評価額が12億ドルとなったFirstCryは、同じくソフトバンクが投資したOYOホテルと並び、インド発ユニコーン企業の仲間入りを果たした。ソフトバンクは、2018年、インドの大手EC企業Flipkartの株をウォルマートに売却し、およそ15億ドルの利益を上げたと言われる。FirstCryに積極的な投資を続けるソフトバンクは、インドの小売市場にさらなる可能性を見ているのかもしれない。
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