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Marketing 2019年第4四半期はAppleがシェア1位。スマートフォン市場を読み解く

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2019年第4四半期はAppleがシェア1位。スマートフォン市場を読み解く

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米国のIDC社が公開した調査結果によって、2019年の第4四半期(10~12月)におけるスマートフォン販売台数のシェアが判明した。

1位に輝いたのは米国のAppleで、全体における約20%のシェアを獲得。次いで韓国のサムスン、中国のファーウェイが続く。第4四半期に限れば、前年同時期にトップだったサムスンをAppleが逆転した格好となっており、熾烈な争いは続いている。

スマートフォン市場の概況


2019年第4四半期のスマートフォンの出荷台数は、全世界の合計で約3億6,880万台。第3四半期との比較で、約2.9%増の数字となった。ただし、昨年第4四半期との比較では約1.1%減となっており、市場の成長は鈍化傾向にある。

業界全体が伸び悩む要因として、巨大な中国市場における販売台数の停滞が大きいという。次世代通信の5G対応端末の登場を心待ちにするユーザーも多く、購入の動きが鈍くなっているようだ。

また、シェアのトップ3社による出荷台数の合計が全体の半分以上を占めており、市場は寡占の様相を呈しているといえるだろう。第4四半期における内訳は、1位のAppleがシェア約20.0%。そして、2位のサムスンが約18.8%、3位のファーウェイが約15.2%となっている。

安定の強さを誇る上位3社


今回1位に輝いたAppleは、2019年第4四半期において約7,380万台の出荷台数を記録。全体では2位となった前年同時期の約6,840万台から数字を約7.9%伸ばし、サムスンを逆転した。低価格モデルであるiPhone XRの堅調に加えて、新しいiPhone 11シリーズが欧米などの先進国市場で人気を誇っており、さすがのブランド力といったところ。

昨年秋に発表したiPhone 11シリーズの好調は、同社にとって特に大きかった様子。Appleによれば、iPhone 11は昨年12月を通じて最も売れたiPhoneモデルとなった。製品自体の強い訴求力に加え、下取りによって端末を安く購入可能なプログラムの存在も後押しする形で、より幅広い顧客層へのアプローチを実現した。

iPhone SEシリーズにおける新機種リリースも噂されており、今後の勢いに期待できそうだ。

続いて2位サムスンの2019年第4四半期における出荷台数は、約6,940万台となった。約7,030万台を記録し、全体トップに輝いた前年同時期との比較で約1.2%減の数字だ。Appleに王座を譲る形となったが、IDC社の報じるところによれば、サムスンは2019年第3四半期に照準を合わせていたため、第4四半期における2位転落も決して驚きではなかったという。

手頃な価格でコストパフォーマンス重視のGalaxy Aシリーズは、主としてインドなどの新興国市場で人気を獲得しつつあり、高価なイメージがつきまとった従来のGalaxyシリーズとは印象をやや異にする。先進国市場で圧倒的な強さを誇るAppleと比べて、幅広い商品ラインナップを誇る点が強みだ。折りたたみ可能な新機種の登場も噂されており、製品開発に余念のない印象を受ける。

3位ファーウェイの2019年第4四半期における出荷台数は、約5,620万台にとどまった。前年同時期の数字は約6,050万台となっており、約7.1%のマイナスを記録。

主力製品のMate 30シリーズは、その高額な価格設定の影響もあり、中国国内で多くの在庫を抱えているようだ。ただし、ファーウェイの持つ強いブランドイメージや魅力的なインセンティブの存在により、中国国内の小売業者が販売へのモチベーションを保っているのは救いといえる。対外的には、米国との関係悪化によってGoogle関連サービスが搭載不可となった影響で、前述のMate 30シリーズがマレーシアやシンガポールなどの市場で苦戦。ここに来て正念場を迎えているという印象だ。

新興勢力も力を伸ばす

ランキング4位のシャオミ(出荷台数約3,280万台)、同5位のオッポ(出荷台数約3,060万台)の勢いも決して侮れない。両者とも既に日本市場への進出を実現しており、徐々に知名度を高めることに成功している。特にオッポに関しては、指原莉乃さんをイメージキャラクターとしたCMでご存じの方も多いだろう。

抜群の安定感を誇る上位3社に加え、新たな勢力も含めて競争が白熱するスマートフォン業界。今後も各社の覇権争いには注目が集まる。

IDC

(文・早川あさひ)

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