航空大手ボーイングなどが支援するWiskは、電動垂直離発着機(eVTOL)を使った輸送試験を実施する覚書をニュージーランド政府と締結したと発表した。
・2人乗りのCoraを使用
試験は、政府の空域統合トライアルプログラムの一環として南島に位置するカンタベリーで実施される。プログラムは安全テスト、開発、そしてニュージーランドにおける高度無人航空機マーケットの確認などを主目的としているが、最終的には空飛ぶタクシーを交通システムに統合することを目指す。
Wiskが使用するのは2人乗りの自動運転空飛ぶタクシー「Cora」で、12個の小さな電動ローターで垂直に離発着できる。トップスピードは時速160キロ、航続距離は40キロ。滑走路を必要としないため、都市部や離島、地方など場所を選ばず活用できるのがメリットのひとつだ。
・まずは機材の認可取得へ
Wiskという社名を初めて聞くという読者が多いだろうが、前身はGoogle創業者ラリー・ペイジ氏が支援する米ベンチャーKitty Hawk傘下のZephyr Airworks。WiskにはKitty Hawkのほか、ボーイングも出資している。Wiskはニュージーランド政府と2017年から協業していて、すでに試験飛行も数多く実施してきた。そうした経緯を経ての今回の覚書締結で、トライアルプログラムに参加する企業はWiskが初となる。
今後はまず、Cora に関してNZ民間航空当局の認可を取得する必要があるとのこと。その上で、具体的な試験スケジュールがみえてくるようだ
Wisk
(文・Mizoguchi)