また同記事によれば、この疾患は睡眠が浅くなるだけでなく、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めることにもつながり、診断/治療には睡眠ステージの判定が欠かせないとのこと。
ただ、5段階に分類される睡眠ステージの判定には、時間とコストがかかるようだ。そこで東フィンランド大学の研究チームは、睡眠時無呼吸症候群の診断に役立つモデルを開発した。
・睡眠時無呼吸症候群を83%で特定
東フィンランド大学の研究者は、健康な人および、睡眠時無呼吸症候群(閉そく性タイプ)が疑われる人の睡眠記録データを使用して、睡眠段階の自動分類モデルを開発した。非侵襲性デバイスの脳波計による記録を分析したところ、健康な人を83.7%の精度で、睡眠時無呼吸症候群の人を82.9%の精度で特定できた。
また、脳波計の補助として眼電図を用いたところ、健康な人を83.9%の精度で、睡眠時無呼吸症候群の人を83.8%の精度で特定できたという。
・経験豊富な医師による分析精度に相当
さらに、疾患の重症度が分類精度に与える影響を調べたところ、脳波計のみを用いた分析で、健康な人の84.5%から、重度の睡眠時無呼吸症候群患者の76.5%の範囲だった。この精度は、経験豊富な医師による手動スコアリングの精度に相当するという。同モデルは、再学習の必要なく数秒でスコアリングをできるとの利点もある。
一般的な睡眠時無呼吸症候群の検査では、簡易的なものでも口鼻センサーや気管音センサーなどを装着しなければならない。高精度な自動分類が手間なく迅速に行えるとなれば、睡眠時無呼吸症候の治療関連領域に与えるインパクトは大きいと考えられる。
参照元:New deep learning model can accurately identify sleep stages/ University of Eastern Finland