変化する演出とイマーシブ空間
シンガポール屈指のリゾート地であるセントーサ島にオープンした「マジカルショア」は、セントーサ・デベロップメント・コーポレーション(SDC)が立ち上げた最新のナイトアトラクションである。同アトラクションは、シロソビーチを400mにわたって鮮やかな光や霧で演出し、セントーサ島の二つの孤島への演出により壮大で幻想的な空間を生みだす。また、砂浜の上でのライトインタラクションなど、来場者が実際に体験できるイマーシブ空間も楽しめる。
同アトラクションの要のひとつは、ワントゥーテン独自開発のクリエイティブAIだ。ビーチに設置されたセンサーの時系列センシングデータから、「ゆったりと楽しんでいる」「活発に遊んでいる」などの来場者の活動具合や、ビーチ周辺の気温・天候などの環境データをリアルタイムに解析し、状況に応じた演出へと変化していくという。
もうひとつ注目したいのは、人間と動きと連動し変化する2つのインタラクティブエリア。ここでは「生命の循環」をテーマにした演出がなされている。世界は銀河の爆発から始まり、うねるマグマにはやがて恵みの雨が……こうして雨は川に、川は生命を育む海となるのだ。そこで誕生した小さな生命は分裂を繰り返し、植物はゆったりと根を張り、海には魚が、山には虫や鳥たちが命を輝かせ、そして最後に生命は散り、また再生を繰り返すというイマーシブ空間が来場者を待っている。
自然音を活かしたサウンド
これらの壮大な演出をより幻想的にするのがサウンドだ。今回の音楽とサウンドデザインを担当するのは、「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などの映画音楽をはじめ、CM音楽、執筆など幅広く活動しているアーティスト 高木正勝氏と、札幌を拠点に世界的な評価を得ている音楽家 Kuniyuki Takahashi氏。高木氏は、自宅スタジオの窓を開け、鳥や虫、風や雨とのセッションを「音の日記」のように録音するプロジェクト「Marginalia(マージナリア)」からのインスピレーションをもとに、セントーサ島で録音された自然音を活かした新たなサウンドを生み出した。また、Kuniyuki Takahashi氏もセントーサ島の自然音を用いて環境と共鳴した深みのあるサウンドを製作。
音楽プロデュースは、さまざまなタイプのオーディオ・ビジュアルコンテンツ制作で知られるクリエイティブスタジオ JKD Collectiveが担っている。
シンガポールが大きな目標である「働きたい場所」「住みたい場所」「遊びたい場所」になるために重要な役割を持っているというセントーサ島。同アトラクションは、そこの新たな目玉スポットとなるかもしれない。
PR TIMES