しかし問題もある。“外の世界”の音をシャットアウトしているが故に、車やバスの接近、危険を知らせるクラクションなどに気づかず、時として身の危険につながることがあるということだ。そこに目を付けたのが、現在リリース準備が進められているアプリ「One Llama」だ。
One Llamaは、スマートフォンにダウンロードすると、ヘッドフォンで音楽を聴いている最中でも、救急車のサイレンや叫び声、タイヤのきしむ音など、身の危険につながるような音を聞こえるようにしれくれるというものだ。スマホのマイクを通して拾う周辺の音をリアルタイムに分析し、緊急性があると判断した場合はカットせずにユーザーの耳に届くようにする。
つまり、例えば信号が赤に変わったのに気づかずに横断歩道を渡ろうとしてクラクションを鳴らされたり、近くにいた人がひったくりにあって「泥棒!」と叫んだりした場合、ヘッドフォンの利用中でもそうした危険信号をキャッチできるというわけだ。
アプリのリリース日はまだ発表されていないが、まずはAndroid版が登場する見込み。開発を手掛けている米国ニューヨーク拠点のスタートアップは「この技術がゆくゆくはすべての端末の標準装備になればと」と期待している。
One Llama