・シリコンウェーハをスリム化して、コストを削減
世界のソーラーパネルの大部分は結晶シリコンで作られている。このシリコンウェーハをスリム化することで、コストをさらに削減し、業界を迅速に拡大できるとMITと国立再生可能エネルギー研究所は考える。シリコンセルの薄型化はこれまでも検討されてきたが、薄いシリコンウェーハは脆くて壊れやすく、効率が低下するという問題があった。
現在使用されているシリコン太陽電池は、厚さ160マイクロメートルのシリコンウェーハで作られているが、研究者らはこれを既存の技術でも100マイクロメートルまで比較的簡単に削ることができ、最終的には40マイクロメートルまたはそれ以下にできるとみている。
従来のシリコン使用量の4分の1で済むことから、個々のパネルのコスト削減につながり、性能についても、異なる厚さで比較したところ、40マイクロメートルの厚さまでその低下はほとんど確認されなかったとのこと。
・15マイクロメートルの厚さも可能か
将来的には、15マイクロメートルまで厚さを減らすことができ、シリコンクリスタルの薄いウェーハを従来のように大きなシリンダーからスライスするのではなく直接成長させる新しい技術が、さらなる薄化とパネル製造能力の急速な拡大を可能にすると研究者らは考察する。この技術の本格的な展開には、製造プロセス変換に多額の設備投資と時間が必要になるが、その利点はコストをはるかに上回ると研究チームは考える。当研究は、ソーラー製造技術拡大を計画している人々にロードマップを提供することと目的として、米国エネルギー省、シンガポール・MIT研究技術同盟(SMART)、およびMIT Energy InitiativeのTotal Energy Fellowshipがサポートを行った。
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