実験は1月31日まで行い、乗客・従業員の移動手段として2020年中の試験運用開始を目指す。
・中国BYD製
バスは全長12メートル、57人乗りの大型で、中国の自動車メーカーBYDの日本法人が提供している。この車両に、先進モビリティの自動運転の技術とSBドライブの遠隔監視システムなどを搭載している。主な搭載機器は自動操舵装置、電子制御ブレーキシステム、各種センサ、ジャイロ、認識処理コンピューターなどだ。
・約1.9キロのルート
実証する自動運転技術は完全自動走行(レベル5)ではなくレベル3に相当し、必要に応じてドライバーが操作を行うというもの。羽田空港第2ターミナルの制限区域内で約1.9キロのルートを走行する。乗客が搭乗ゲートから飛行機まで実際に移動するものとなる。実験では、実際に走らせることで技術的な課題や運用面での改善点などを探る。そして必要に応じた環境整備の検証も行う。
一方で、乗客・乗員のスムーズな空港内移動に役立つのはもちろん、このバスは電動なので二酸化炭素の(CO2)排出抑制にも一役買う。CO2排出量が多いジェット機を運航する航空業界にとって二酸化炭素の排出抑制は大きな課題であり、そうした意味からも実用化が急がれる。
ANAは年内の運用開始を目指すとしていて、そう遠くない時期に自動運転バスを目にする、あるいは実際に利用する機会がありそうだ。
全日本空輸
(文・Mizoguchi)