・従来の遮音材の4分の1の軽さ
日産は2010年にEV車リーフを発表したことでエンジン音を解消したが、もうひとつの車の騒音であるロードノイズを消すことが長年の課題であった。これまで車業界では、ゴム板のような重い材料で音の侵入を遮ってきたが、今回発表された音響メタマテリアルは、従来の材料の4分の1の軽さで同じ遮音性を実現し、静かさと軽量化を達成する。
車の軽量化は、電力消費量の削減、燃費や運動性能の向上をもたらし、車づくりの可能性を広げてくれる。
・ 格子構造の上にフィルムを貼ったシンプル構造
この音響メタマテリアルは、格子構造の上にフィルムを貼るというシンプルな構造。音が発生すると、フィルムがタイミングよく震えて音の透過を抑制し、車特有の騒音を広い周波数帯(500-1200Hz)で効果的に遮断する。そして、構造がシンプルなことから、従来の遮音材と同等、もしくはそれ以下のコストで量産化できる可能性を秘めており、車両重量への影響や価格面で、これまで遮音材の使用が制限されていた車種への適用も期待される。
車をもっと静かに軽くして、移動空間と時間をより快適なものにしてくれる、新しい音響メタマテリアルは、現在米国で開かれているCES 2020で展示されている。
日産自動車