・高パフォーマンス、低い製造コスト、環境フットプリント削減を実現
この新電池開発にあたり、研究者らは標準リチウムイオン電池と同じ材料を使用しつつ、硫黄カソードを再構成することで、全体の容量または性能を低下させることなく、より高いストレス負荷に対応。さらに、ストレスに対応して高い安定性を実現させる粒子間結合を生み出す方法を開発した。同研究に参加したモナシュ大学のMatthew Hill准教授は、「高いパフォーマンス、低い製造コスト、材料の豊富さ、処理の容易さ、環境フットプリント削減を実現するこの新電池は、大きな可能性を秘めている」と述べている。
研究チームは、この新電池の製造プロセスの特許をすでに取得しており、プロトタイプはモナシュ大学の研究開発パートナーであるドイツのフラウンホーファー材料・ビーム技術研究所が製造した。
・2020年にさらなるテストを実施
中国とヨーロッパのいくつかのリチウム電池大手メーカーは、この画期的な新電池の生産拡大に関心を示しており、2020年初頭にオーストラリアで自動車とソーラーグリッドのさらなるテストが行われる予定。この試験実施にあたって、研究チームは政府および国際的な産業パートナーから250万ドル(約2億7000万円)以上の資金を調達済みだ。高性能で長いサイクル寿命を持ち、将来のスマホや自動車、コンピューター、ソーラーグリッドの製造方法を変えるかもしれない、モナシュ大学が開発した新しいリチウム・硫黄電池。今後の展開がとても楽しみだ。
Monash University