そんなビジネスウェアの変化に対応すべく、オーダースーツのD2Cブランドである「FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)」は2019年9月、3Dスキャンによる採寸でジーンズがオーダーできる新サービス「STAMP」を発表。11月からは、β版となる「STAMPβ」の無人型店舗がFABRIC TOKYO新宿店内にオープンしている。
今回は、実際に「STAMPβ」でジーンズを作ってきたので、そのレビューを含めながらサービスの内容を紹介していきたいと思う。
ジーンズの買い方をアップデート
私服OKという制度は、毎日好きな服で働ける楽しさや、疲れない服装を選ぶことができるというメリットがある。しかし、洋服に関心がない人にとっては、毎日服を選ばなければいけないことがデメリットに感じられる場合もあるのだ。同社が行ったヒアリングによると、スタートアップやIT系の企業で働いている人は、情報感度が高く、新しいサービスでもすぐ生活に取り入れようとする傾向がある一方で、服装については何を選べばいいかわからずに無難な選択しかできていないという人が多かったという。
中でもジーンズに関しては、どのブランドを選べばいいのかわからなかったり、自分の体型に合うものを探すのが難しかったりと、課題を持つ人が多い。
こういった背景を受けて、「洋服の買い方をアップデートする」というコンセプトでジーンズにフォーカスを当て「STAMP」をリリース。
「STAMPβ」では3Dスキャナーを利用して採寸を行う。採寸されたデータはクラウド上に保存され、そのデータをもってサイト上でジーンズを注文することができるようになっている。
採寸部屋には4つの柱からなる3Dスキャナーが置かれており、それぞれの柱に備えられたセンサーから赤外線を当てることで採寸を行う。ちなみに、採寸にかかる時間はわずか数秒だ。
採寸が終われば、そのまま帰って自宅のPCやスマートフォンから注文するだけ。店舗は無人なので、店員に話しかけられるのが苦手という人でも気軽に体験することができる。
実際に履いてみて
採寸を行い注文してから約3週間後……ついに商品が届いた。「STAMPβ」では現在のところ、カラーや生地を含めてデザインが1種類しか用意されていない。これは、ジーンズに詳しくない人がそれらの選択で悩んでしまう、という課題があったからだという。
実際に履いてみると、そのデザインが仕事着として非常に適していることを感じる。
まず、見た目の部分でいうと、カラーは落ち着いた暗めの色合いになっており、どんな服にも合わせやすく、季節を問わず履くことができる。
また、シルエットはタイト過ぎず、ワイド過ぎず、良い意味でカジュアルさが抑えられている。3Dスキャナーで採寸するといっても、ただ体型に沿ったデザインになっているわけではなく、適切なラインに基づいて設計されている。
ちなみに筆者の場合、ウエストはそこまで太いわけではないが、太腿が太い。なので、ウエストに合わせるとピチピチになり、太腿に合わせると腰パン状態になってしまうという悩みがあった。
しかし、「STAMPβ」のジーンズでは、オーダーで作られているため、しっかりと腰骨の部分から履くことができ、太腿もきつくなく、長時間履いていても疲れない。
これはジーンズの生地も関係している。「STAMPβ」では、ストレッチの効いた生地を使用しているため、一日中座って仕事をしている人でも、外を歩き回る人でも、疲れずに履き続けることができるのだ。
「STAMPβ」ではその他にも、スマートフォン専用のポケットや、AirPodsなどをいれるガジェット専用のポケットがあり、ターゲットのニーズを満たすデザインとなっている。
Waiting Listに登録し招待枠に応募!
「STAMPβ」は招待制ブランドで、既に購入済みのSTAMPユーザーに発行される招待カードを受け取ることでサービスを利用できる。また、Waiting Listに事前登録し、定期的な招待枠に応募することも可能だ。デザインは「\ JEANS ver.1.1」の1種類で、値段は税抜15,000円。もちろん採寸は無料で行える。仕事場で履くジーンズにお困りの方は一度体験してみてはどうだろうか。
STAMP
(文・栄藤徹平)