経済の仕組みが大きく変わりそうなはなしだが、これを実現するにはまず、送金手数料や処理速度の課題を解決する必要がある。
ブロックチェーン技術開発者らにより、あの手この手で課題可決が探られているなか、いまの段階でこうした課題をクリアしてしまっているのが、分散型P2P技術のRandpayだ。
・1 Satoshi未満の送金も
andpayは、1997年に発表された「電子宝くじ券」の仕組みを利用したマイクロペイメント技術の改良版だ。ペイメントチャネルやライトニングネットワークを開設する必要がなく、したがってネットワークの開設と維持にかかるコストを削減することができる。トランザクション手数料も大幅に削減できるので、1 Satoshi(0.00000001ビットコイン)未満の支払いも可能になるという。また、1秒間に数千もの決済処理が可能となり、マイクロペイメントを実現するための条件がそろっている。
さらには、途中でインターネット接続が不安定な地域でも機能するというから世界で利用できそうだ。
・当たりを引いた場合のみブロックチェーンに記録
Randpayでは宝くじチケットを発行し、当たった場合のみ支払いが発生。トランザクションがブロックチェーンに書き込まれる。例えばユーザー(送金者)がデータ利用料として毎分0.1円支払うケースでは、サービス提供者(受取人)は送金先アドレスを大量に(仮に1万個とする)発行。秘密鍵の入った1個の当たりアドレス以外はブランクだ。ユーザーは千円を費やしてこの宝くじに参加。1万分の1の確率で当たりを引けば、サービス提供者が秘密鍵で署名して、千円が送金される。ブロックチェーンに記録されるのはこのときだけだ。それ以外、1万分の9999ではトランザクションは破棄され、ユーザーは無料でサービスを利用することになる。
くじ引きの回数が増えるにつれて、1つの支払行為の平均は0.01円に収束。その正確さを数学的に証明した論文が最近発表されたものだ。
なお、RandpayのMediumページには、さまざまな不正対策なんかも詳しく説明されていて、興味ある方は参照いただきたい。
参照元:Randpay: The Technology for Blockchain Micropayments and Transactions Which Require Recipient's Consent/ arXiv
Large-scale micropayment subsystem based on the Emercoin cryptocurrency/ Randpay/ Medium