出願があったのは今年の5月だが、11月22日に米国特許商標庁から詳細がリリースされ、その内容が明らかになった。
・汚れをレーザーパルスで焼いて除去
出願書類の冒頭にはこう書かれている。この自動車用クリーニングシステムは次のものから成る。それは、自動車のガラス部分の一定の範囲にレーザービームを照射するビーム光学(beam optics)装置、その一定範囲に蓄積された汚れを検出する回路、及びそれらをコントロール回路である。
検出回路がガラス面上の汚れを感知すると、そこに向けて光学装置からレーザーが発射され、汚れを除去するという説明が後に続く。
レーザーは断続的に照射されるパルスレーザーが用いられる。パルスの間隔をコントロールすることでエネルギーを抑制し、ガラス面を傷つけないようにしているとのことだ。
自動運転車のカメラレンズもきれいに
出願書類には、このシステムの効用についても言及されている。例えば、従来のワイパーでは限られた範囲の汚れしか落とせなかったが、レーザーを使えば、フロントガラス全面をきれいにできるという。また、水と洗浄液で洗った場合、乾くまでに「非生産的な時間」を費やさなければならないが、レーザーならその必要がない、とも書かれている。
フロントガラス以外の部分にも、テスラ社はこの技術を利用していくらしい。例えば、自動運転車は複数のカメラで車の周囲の状況を捉えるが、レーザーを使ってそれらのレンズを常にクリーンに保っておける。センサーの表面も同様に、レーザーで掃除することができる。
さらには、発電用ソーラーパネルと屋根用タイルが一体化した「ソーラルーフ」にも応用できる。ソーラーパネルにワイパーをつけるわけにはいかないが、レーザーで表面の汚れを取り去れば、発電効率を低下させないで済むという。
米国特許商標庁 Patent Application Publication