酪農・畜産領域でのIoT
同社は、子会社である株式会社ファームノート(以下、ファームノート)を通じ、クラウド牛群管理システム「Farmnote」の拡販および機能強化に注力してきた。同時に、家畜などの経済動物をインターネットにつなげ、AIによる最適な飼養管理を可能にする「Internet of Animals」実現を目指し、牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」を開発、事業展開中だ。現在のユーザー数は4,000生産者、契約頭数38万頭(日本での飼養頭数は380万頭)に上る。このたび、未来創生2号ファンド、共立ホールディングス株式会社、株式会社マイナビ、SMBCベンチャーキャピタル5号投資事業有限責任組合、おおいた中小企業成長ファンド投資事業有限責任組合、大分ベンチャーキャピタル株式会社を引受先とした第三者割当増資にて、総額約8.5億円の資金調達を実施。累計調達額は約26億円となった。
今回の調達金は、AI開発による製品・サービスの機能拡充、体制強化、研究開発の推進および新規事業の立ち上げに充てられるようだ。
生産性向上をサポート
製品開発強化として、ファームノートが提唱した「Internet of Animals 」を実現すべく開発された「Farmnote Color」の新バーションとスマートフォンアプリを来春を目処にリリース予定とのこと。「Farmnote Color」は牛(乳牛・肉牛のどちらも可)に装着し、AIを活用して人の目を介さず牛の発情検知や疾病の事前予知を行う。「Farmnote Color」が取得したデータは「Farmnote」に保存され、活動・反芻・休息を計算し、注意すべき牛についてはスマートフォンなどに通知することができる。また、取得データはAIが個体別に学習し、個体差を考慮した分析が行われるため、データが蓄積するにつれ異常検知の精度が向上するという。
今後は、さらなる発情検知精度の向上、分娩検知、肥育牛の転倒検知、子牛の疾病検知など、さまざまな機能強化を実施し、随時リリースしていくとのことだ。
体制強化としては、従来より積極的に採用してきた獣医師・研究者とともに研究開発体制を整え、技術力向上を目的とした研究用の自社牧場の設立を予定している。
そして新規事業としては、ICT活用・牛舎設計・遺伝改良・予防・衛生・繁殖改善などのあらゆるノウハウをワンストップで提供するコンサルティングサービスの立ち上げを計画しており、生産者がテクノロジーを導入しやすい環境を創出していくようだ。
同社の技術は、動物の効率的な管理を可能にし命を守るとともに、人手不足解消にも貢献するかもしれない。
PR TIMES