到着後は、ヨーロッパの科学実験モジュール「コロンバス」内で乗務員を支援することになっている。
・AI搭載の球形浮遊ロボット
CIMON(Crew Interactive MObile companioNの略)は、AIを搭載した球形のロボット。無重力状態の船内を浮遊し、音声と画面で飛行士とコミュニケーションをとる。開発を主導したのは航空機メーカーのエアバス社で、頭脳部分のAIにはIBMが開発した「Watson」が用いられている。
プロトタイプとして作られた初代CIMONは、国際宇宙ステーションに14ヶ月滞在し、8月27日に地球に帰還した。今回送り込まれるのは2代目の「CIMON-2」。初代と比べて、無重力中の方向感覚と、宇宙飛行士に共感する力が増しているそうだ。
・知識と感情をアシスト
エアバス社のニュースリリースの中で、IBMのAIチームリーダは「SIMONは、文脈を捉えるだけでなく、その裏にある意図まで理解できる」という。SIMON-2はそれに加えて、人の声の調子から感情を読み取れるようになっている。宇宙飛行士の感情も含めて、その時の状況に適した対応ができるそうだ。
「つまり、科学的なアシスタントとしてだけでなく、必要があれば共感力のある話し相手にもなれるということです」とIBMのリーダーはいう。
また、SIMON-2に搭載されているAIを国際宇宙ステーション内のクラウドにアップロードするプロジェクトも予定されている。そうなると、船内のどこにいてもSIMONと会話できるようになりそうだ。
SIMON-2は初代SIMONより耐久性もアップし、今後3年間の稼働が期待されている。
AIRBUS