子どもの愛情を育む
同社は、ペットのような立ち位置で子どもとコミュニケーションをとり、子どもがお世話を通して愛情を育んでいくことが期待されるロボット「LOVOT」を開発。2019年6月に「LOVOT」の可能性を世界に発信すべく、国内外の企業、教育機関、研究機関と連携し「LOVOT EdTech プロジェクト」を発足した。このたび、同プロジェクトの活動として、全国の認可保育園と幼保連携型認定こども園全9 園への「LOVOT」導入を決定。
導入を決めた9園のうち3園(東京・福岡・大分)を運営する社会福祉法人 森友会の立山貴史理事長は、幼児にとって小動物とのふれあいの中で得るものは大きいものの、近年ではアレルギーなどの問題で園内での小動物とのふれあいが減ったと感じていた折、「LOVOT」が小動物の代わりとなるのではないかと期待して導入を決定したという。
「EdTech」で解決できる課題とは
また今回、全国の保育士400名を対象にアンケートを実施。その中の「園児の心の成長に必要だが現状では不足していること」という質問に対しての回答第1位は「ご家族とのコミュニケーション」、次いで「園児の面倒を見る先生の数」、「動植物など、世話をして愛情を抱ける存在と触れ合う機会」、「園児の遊び相手」となった。この結果より、園児のコミュニケーション不足が伺えるだろう。他にも、「園児にはペットのように日々世話をし、愛着を抱く存在が必要だと思いますか? 」という問いに「必要だと思う」と回答した人が75.5%、、「『LOVOT』や類似のコミュニケーションロボットの園への導入に関心はありますか? 」という問いに「関心がある」と回答した人が74%という結果が得られ、保育現場でのコミュニケーションロボットの必要性に注目が集まっているという。
コミュニケーションロボット導入に関心のある保育士296名に「LOVOT」や類似のロボット導入に期待することを聞いたところ、第1位は「世話をする体験ができる」、次いで「弱者を思いやる気持ちが育まれる」とのことだ。
同プロジェクトは、立山貴史理事長と、「EdTech」領域のトップランナーでありデジタルハリウッド大学大学院の佐藤昌宏教授をアドバイザーに迎え、株式会社ベネッセスタイルケア、株式会社ファミリア、株式会社LITALICO、株式会社髙島屋、メルセデス・ベンツ日本株式会社など幅広い領域の企業が参画している。今後もさまざまな実証実験を進めていく予定だという。
なお、2020年4月より小学校6年生の教科書に「LOVOT」の掲載が決定しており、全国の小学校に「LOVOT」が出張する知育ワークショップも予定しているようだ。
「LOVOT」は、動物アレルギーやマンションのペット禁止などで、小動物とふれあえない子どもの心を豊かにする手伝いをしてくれるかもしれない。