SunPartner Technologiesと3Mの2社が共同開発をおこなっている「Wysips」は、真の意味でのワイヤレスの充電を実現する新ツール。スマートフォンなどのスクリーンを太陽光パネルに変えてしまうという優れものだ。
「Wysips」は、非常に薄いクリスタルガラスのレイヤーで、このレイヤーをスマートフォンやタブレット、スマートウォッチなど、ごく小さいスクリーン内に組み込む。外側から眺めても、特殊なレイヤーが組み込まれているとはわからないほど、非常にスクリーン画面はクリア。自然光、人工光のどちらであっても、バッテリー充電のエネルギーに変換してくれる。なんと、1日の使用を通して、およそ15%分もの充電効果が期待できるという。
ただ、スクリーンを見るアングルを少し変えると、若干のちらつきが見える場合もあるが、画面の操作を妨害するほどではなさそうだ。ただ単に、電話を明るいところに放置しているだけで、勝手に15%の余分な電力を使用できるようになるのは、ユーザーにとってありがたい。電子ペーパーを活用しているKindleのような電子デバイスなら、この自家発電機能を導入することで、もはや充電をする必要すらなくなるかもしれない。
さらに、「Wysips」のすばらしい特徴がもう1点ある。「Wysips」のレイヤーは、光波を使用してデータの受け渡しができるLi-Fi (Light Fidelity) データ送信に対応している。特殊な光の下にこのレイヤーを置くと、人間には認識できない光の明滅を感知し、スマートフォンにメッセージを送信する。
このVLC(Visible Light Communication)は、既存のラジオ波を用いるWi-FiやBluetoothに比べ、格段に通信速度が速く、セキュリティ面も安全だという。Red-Green-Blue (RGB) LED光の通信は、最大10.5gbpsの通信速度を生み出し、Wi-Fiの10倍もの速度が実現する。
しかも、光ファイバーデータ通信ツールとしての機能も併せ持つ「Wysips」のコストは、1枚につき2~3ドル程度と大変リーズナブル。この非常に画期的なテクノロジーは、もしかすると、2015年にリリースされるスマートフォンなどの電子デバイスで、お目見えすることもあり得そうだ。楽しみに待ちたい。
Wysips