iPhoneなどの端末に入っているライブラリと、Spotifyからストリーミングする音楽で利用できる。使うには、まずユーザーがどんな音を拾いにくいのか、あるいはどんな周波数が聞こえやすいのか、その傾向をチェックする1分間テストを行う。その上で、ユーザーの特性に合わせて音の“修正”をし、例えば高音が聞き取りにくい場合、自動で聞き取りやすい音域に下げてくれる仕組みになっている。これは、片耳だけ問題がある場合でも利用できる。
このアプリの創業者の1人、Alex Selig氏自身が両耳の聴覚に障害を抱えて育った。意気投合したもう1人の共同創設者と「世界の“聞こえ”に変革をもたらそう」と開発した。聴力に問題がある人でも音楽を真に豊かな音で楽しめるように、という彼らの思いに社会的意義があることは誰もが認めるところだろう。
そうした意義に加え、無料で利用できるというのは大きな社会貢献といってもいいのではないだろうか。だがユーザーには嬉しい無料でも、彼らがどうやって利益を得るのかという点を心配する人もいるだろう。それに関しては、Selig氏らは現在、すべての音楽に対応する音調整ハードウェアを開発中で、どうやらそちらが“本命”のようだ。
SoundFocus