そうした中、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の警察はスマホ操作に起因する自動車事故を減らそうと、運転中のスマホ操作をAI(人工知能)で自動検知するカメラを導入した。
・24時間年中無休で監視
運転中のスマホ操作は危険だと認識していても、それでもかかってきた電話をとったり、テキストの返事を送ったりしてしまうものだ。しかし、目の前に警官がいたらほとんどの人はスマホを置くだろう。その警官的な役目を24時間年中無休で果たすのが今回導入されたAI搭載カメラ。道路設置タイプと可動式のタイプがあり、運転席の画像をとらえ、スマホを操作しているドライバーを検出する。
・6カ月で違反10万件
メルボルン拠点のAcusensusが開発したこの監視システムはすでに6カ月にわたる試験が行われた。期間中、ドライバー850万人をチェックし、10万件以上の違反を検出したという。今回の正式導入にあたっては、最初の3カ月間は違反者に「警告書」を送るにとどめる。しかしそれ以降に違反した場合、罰金344豪ドル(約2万6000円)とデメリットポイント5点が科される。デメリットポイントが重なると免停となる。
ニューサウスウェールズ州はこのシステムの導入で向こう5年間に死亡事故や重傷事故を100件ほど防ぐことを期待している。
NSW Department of Transport
(文・Mizoguchi)