電気的に動力を得て床や壁を把持し、伸縮することで前進する同ロボットは、将来的に災害時利用や天井/壁の掃除なんかの活用用途が想定されている。
さまざまなロボットに自在に組み込むことで、動力基盤として活用できる同技術について見ていこう。
・ポケットに入れて持ち運び利用時に展開
薄くて軽いElectroSkinは、巻き取ることも折り曲げることも可能だ。よって、そのままポケットに入れられるし、ウェアラブルデバイスのように身に付けるような仕様も考えられるだろう。ElectroSkinはこうした性質から、気軽に持ち歩いて必要なときに取り出して使うことができ(研究チームによる動画では、まさにポケットから取り出してテーブルに放り投げられるソフトロボットの様子が見て取れる)、運搬コストを考慮しなくてもよい。
SoftRoboticsに掲載された論文からは、ソフトな素材に人工筋肉を埋め込み、電気的に動作するような設計を層状に施しているのがわかる。これが伸縮することで床面の表面をつかむようにして移動するようだ。
・モノの運搬や環境のモニタリングなど多目的に活用できる
移動は自律的にもリモートによる操作でも可能とのことで、実験では外部から電力を供給している。人工筋肉と電極を他の素材に埋め込んで利用する同技術は、さまざまなロボットを動かす基盤として応用できる。ロボットには汚れを取り除いたり、環境をモニタリングしたりといった機能を持たせることもできそうだ。
また、複雑な組み込みではなく、モノを把持して移動させる能力を活かして、シンプルにモノを乗せるだけで運搬することも可能。その形態同様に活用用途も幅広いだろう。
参照元:Soft skin-like robots you can put in your pocket/ University of Bristol News