ボストン発のヘルステック・スタートアップ「LifePod」は、AIとスマートスピーカー、医療/介護のナレッジをかけ合わせたソリューションを提供する。高齢者やその家族の生活の質を向上させるべく、音声による介護サービスを開発。18カ月のテスト期間を経てこのほどサービス開始に至った。
・自然な音声対話による見守り
LifePodのバーチャル介護サービスでは、主に音声による見守りやリマインダーを提供する。対話によるチェックイン機能でケアプラン通りの行動ができているかを見守るとともに、声かけによって投薬を促したり水の摂取をすすめたり……など、ケアプラン遂行を支援してくれるようだ。部屋に置かれたスマートスピーカーが、事前にスケジューリングされたルーチンに沿って応答する。支援は自然な音声対話を通して行われるので、被介護者は操作方法や音声コマンドを覚える必要がない。
また、対話と励ましによって、社会参加や家族とのやり取りを促し、被介護者の孤立を回避する。
音声対話はデータの解析で最適化され、ポータルサイトから介護者がカスタマイズすることも可能だ。こういった革新性が評価され、LifePodは「2019 ヘルステック・ベンチャー・チャレンジ」で優勝を獲得している。
・特別なニーズを持った高齢者にも対応
在宅や高齢者住宅住まいの高齢者のほかに、健康状態に不安を抱え、特別なニーズを持った高齢者も利用対象となっている。実際LifePodは、アメリカ心臓協会(AHA)と協力して音声介護の可能性を探る研究を実施。心機能に不安を抱え、特別な習慣や禁忌事項を有する高齢者の介護/健康支援にも注力しているようだ。ケアプランを遂行したかどうかはテキストメールで通知してくれる。また、介護従事者に対しては介護に関する情報提供も行うとのこと。
バーチャル介護サービスでは、このように音声を用いて見守りと介護の負担を最小限に。家族と介護事業者、生活コミュニティの連携を促しエンパワーメントすることにより、高齢者の健康寿命を延ばし、ひいては医療コストの削減にも寄与してくれそうだ。
参照元:LifePod