・フード系スタートアップ企業に特化したクラウドファンディングサービス
コープデンマークは、デンマークの人口の約31%が加入し、国内で550店舗以上を運営するデンマーク最大の食品小売業者だ。近年は、フード系スタートアップ企業を積極的に支援しており、2017年に報酬型クラウドファンディングサービス「Coop Crowdfunding」を開設。
フード系スタートアップ企業が一般ユーザーから広く資金を募り、一般ユーザーは、応援したいスタートアップ企業や欲しい商品・サービスに資金を提供する代わりに、対象となる商品など、金銭以外の報酬を得られる仕組みだ。
また、「Coop Crowdfunding」で調達した資金をもとに開発された新商品の一部は、コープデンマークのネットスーパー「Coop MAD」や傘下のオーガニックスーパーIrma(イヤマ)の店舗で販売。
コープデンマークは、「Coop Crowdfunding」を利用するフード系スタートアップ企業の貴重な販売チャネルにもなっている。
・スタートアップ企業と消費者で食のイノベーションを共創
消費者が組合員となってよりよい生活づくりに取り組む消費生活協同組合(生協)は、19世紀以降、欧州、日本をはじめ、世界各地に広がり、消費者の食生活を支えてきた。「Coop Crowdfunding」を介してスタートアップ企業と消費者との協同での食のイノベーションに取り組むコープデンマークは、従来の生協を進化させ、21世紀らしい新たな生協のかたちを示す事例といえるだろう。(文 松岡由希子)
Coop Crowdfunding