・ロンドンの老舗市場がオンラインで食料品を販売
1014年に創設されたバラ・マーケットは、長年、卸売市場として発展してきたが、現在は、主に小売市場として、新鮮で品質の高い食材をロンドン市民に直接供給する「ロンドンの台所」だ。2019年10月には、各地域の小規模農家や独立系の食品加工業者と消費者をつなぐオンラインプラットフォームを運営する「Good Sixty」との提携のもと、専用ネットスーパー「Borough Market Online」を開設。
バラ・マーケットに入居する39の事業者がこれに参加し、青果物やチーズ、ハム、パン、ワインなど、品質の高い食材や加工食品をオンラインで販売している。
消費者は、公式ウェブサイトから欲しい注文し、バラ・マーケット内の受取専用カウンターに出向いて商品を受け取るほか、バラ・マーケットから2.5マイル(約4キロ)圏内であれば、配送料4.50ポンド(約630円)で、指定場所に届けてもらうことも可能だ。
・デジタル時代に高品質な食へのアクセシビリティを高める試み
活気ある雰囲気を味わい、店員とコミュニケーションしながら食材などをじっくりと品定めするのが、市場での買い物の醍醐味ではあるが、消費者のライフスタイルの変化や多様なニーズに応え、市場も進化を求められつつある。「Borough Market Online」は、オンラインプラットフォームという新たな販売チャネルを増やすことで、新鮮で品質の高い食をより幅広く届ける試みともいえよう。(文 松岡由希子)
Borough Market Online