米国テキサス大学オースティン校のコンピュータサイエンスチームが、ジョージア工科大学、コーネルテック(コーネル大学とイスラエル工科大学が共同設立した教育研究機関)、Facebook AI Researchの研究者たちと協力して、実践的なファッションアドバイスをするAIを開発した。
重要なワンポイントについて助言
「Fashion++」と名付けられたそのAIの特徴は、服装をお洒落に見せるのに重要な、小さな点についてアドバイスしてくれること。ユーザーの写真を読み込んだAIは、その服装をもとに、例えば「襟付きより襟なしのトップのほうがいい」、あるいは「シャツの裾は外に出すよりスカートの中に入れたほうがいい」などといった、手軽に改善できる助言をする。
テキサス大学のニュースリリースによれば、このAIは視覚認識システムを通して服の形、色、質感などを分析し、変更を加えることで全体の印象に最も影響を与える部分を特定。そこについての改良案をいくつか提案するように設計されているとのこと。
1万点以上のイメージを学習
AI「Fashion++」のアドバイスは、インターネット上で「お洒落」とされている服装のイメージ1万点以上を学習した成果だ。もちろん、流行によってお洒落とされるスタイルも変わるので、「Fashion++」はこれからも学習し続けていく。弱点があるとすれば、ネット上のイメージしか学習できないことだろう、とテキサス大学の研究者はコメントしている。インターネットが普及したのは1990年代なので、それ以前のトラディショナルなファッションについて、このAIは何もわからない。
また、ネット上にある多くの写真がモデルかモデル体型の人たちのものに偏っているのも問題だそう。研究者たちはこれを解決するために、現在、様々な体型の人のファッションを「Fashion++」に学習させている。
The University of Texas at Austin/UT NEWS