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MITのロボットボートが海洋調査を効率化! 7倍以上のサンプル収集能力

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Image: MIT,Image courtesy of the researchers

広大な海洋での汚染調査に、囲碁やチェスをマスターしたAI採用の手法が役立つようだ。

海洋調査では、汚染物質の発生源など高濃度でサンプルが収集できるスポットを探し出すことが重要となる。ただ、無限といってもよいスポットのなかからこれを特定するのは困難だった。

そんななかMITとウッズホール海洋学研究所(WHOI)の研究者は、確率統計モデルを用いて、広範囲におよぶ海域から最も効率よくサンプル収集できるスポットを予測する自立型ロボットシステムを開発した。

・騙しのスポットに時間をとられないシステム

ロボットボートは海面を前後に移動しながらサンプル収集を行うが、端から端までこれをやっていたのでは時間がかかりすぎて海域をカバーできない。最も高濃度でサンプルが収集できるスポットがわかれば効率よく調査が進められる。

該当スポットは、例えば化学物質が漏れ出たタンカー周辺や、サンゴ礁が海面上にさらされた最も海面が低い海域などになる。ただむつかしいのは、海流や地形の加減で化学物質が高濃度に蓄積するスポットや、ある程度サンゴ礁が海面上にさらされたスポットが点在することだ。

最大のサンプルが得られるスポットを見つけたと思っても、じつは海域内にさらなる高濃度スポットがある可能性が常にある。ロボットボートが“騙しの高濃度スポット”にとらわれることなく、真の高濃度スポットにたどり着くよう導くのが、今回開発された「PLUMES」だ。

・最小限の調査から高濃度スポットを見つける

PLUMESは、ガウス過程という確率統計モデルを駆使して、どの経路が真の高濃度スポットにたどり着く可能性が高いかを予測。障害物や海流、その他変数を流動的に切り替えながら計算を繰り返す。ロボットボートが利用可能な経路の分布を生成したら、推定値と不確実性を織り込んで各経路をランク付けする。

仮高濃度スポットでサンプルを収集しながらも、周辺環境に関する情報をモデルに追加しながらバランスよく次のアクションの準備もする。このとき活用されるのが、囲碁やチェスのAIでおなじみの経路決定手法、モンテカルロ木探索(MCTS)の修正バージョンだ。

MCTSは、接続された全ノードのマップを使用して、目的に到達するための経路をシミュレートする。ゲームと違って実世界では、環境がダイナミックに変化するため探索空間が事実上無限。そこで研究者は、ガウス過程に新しい目的関数を付加して探索空間を絞り込んだ。

多様な水中環境での100回のシミュレーションテストにて、PLUMES搭載のロボットボートは、割り当てられた時間内に従来の方法よりも7~8倍多くのサンプルを収集した。

現在、PLUMES搭載のロボットボートは北極沿岸の河口でメタンの調査をしているとのこと。また、調査領域を大気にまで広げようとしているとのことで、今後、海洋/大気汚染の調査効率は大幅に向上するだろう。

参照元:Autonomous system improves environmental sampling at sea/MIT News
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